「われわれの美徳は、まずたいてい、衣装を替えた悪徳にすぎない」という巻頭言に明らかなように、世間では美徳と考えられている、友情、感謝、献身、謙遜、礼儀、誠実、正義、博愛、沈着、寛大、などの徳目が徹底的に解剖され、すべてが自己愛の見せかけにすぎないことが暴露される。<br />