カナリヤの爪
二十代も後半とみえる若い女に依頼の件を聞いてみたとき、どうやらその中身は離婚問題と思われたので、メイスンは気が進まなかった。
だが、女はカナリヤを入れた籠を持参していて、しかも、そのカナリヤは「びっこ」だった。
しかも女はカナリヤから話題をそらそうとした。
「謎のカナリヤ」に惹かれてメイスンは結局、事件を引き受けた……。
ありきたりの民事事件の背後から浮かび上る不可解な殺人事件。
カナリヤの爪に秘められた秘密とは? メイスンものの中でも本格味濃厚な好編。
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