当代随一の才気ある詩人であり、勇猛果敢な剣士でもあるシラノは、唯一その顔のまんなかを占める巨大で醜い鼻のコンプレックスに悩んでいた。<br />美女ロクサーヌへの純真な恋心も鼻のまえには率直に告白することができない。<br />シラノは恋敵の貴公子クリスチャンの影法師として生きる。<br />……波乱万丈、痛快無比、決闘あり、百人切りあり、駄じゃれ、毒舌、雄弁、名せりふに満ち満ちた、おもしろさ、楽しさ完全保証の悲喜劇。<br />