みなし子となったネッロ少年には、忠実な老犬パトラッシェと一緒に、アントワープの町の人たちに牛乳を届けに行くのが残された唯一の暮らしの道だった。<br />絵を描くことが好きだったネッロの夢は、町の教会堂にあるルーベンスの絵を見ることだった。<br />ある日、放火の疑いを受け村を追われたネッロは凍てつくクリスマスの朝、教会堂までたどり着く。<br />ルーベンスの絵は目の前にあった。<br />だが……