主人公で語り手の男は、妻殺しの罪で10年間のシベリア追放と強制労働の判決を受ける。<br />彼は貴族階級出身であったことから、多くが農民出身の囚人たちの悪意、憎しみをかい、当初は獄中生活に苦しむ。<br />だが次第に収容所生活や受刑仲間に対する自身の嫌悪感を克服してゆく。<br />ドストエフスキーが4年間シベリア流刑を経験したときの体験記でもある。<br />現代のソルジェニツィンの手になる「イワン・デニソビッチの一日」とあわせ読むのもおもしろい。<br />