三代目のトーマスは、市の参事会議員にもなるが、彼には人間としての弱さと事業家としての弱さが、はっきりとあらわれる。<br />彼は商会の存続と、一家の体面のため、家長として厳しい態度を保持するが……。<br />「ある家族の没落」の副題をもつ、トーマス・マン25歳のときの処女長編。<br />