「クローディーヌ」もの第3作。<br />この作品の中のクローディーヌは、もはやこれまでのような、挑戦的で快活な、あの自由奔放なクローディーヌではない。<br />内面生活が豊かになり、瞑想的になり、そして、夫から愛されながらも、時に孤独でさえある。<br />クローディーヌは、この作品の最後において、自分の反抗する心をじっとおさえて、夫のルノーにすがりつこうと必死に愛の腕をさしのべている。<br />しかし、その熱烈な求愛の言葉の中には、すでに絶望のひびきがどこかにある。<br />