金星の酒場で一服盛られたスミスが目覚めたのは、真っ暗な、古代の廃墟らしい無気味な土地であった。<br />気がつくと、甘美な声がいざなうのを耳にする。<br />一人の少女に手をとられて彼は進んだ──そこは、おぞましくも美しい「血に飢えた」異次元の女王ジュリが棲む太古の都であった……。<br />女流作家ムーアの手によるSFファンタジー名編ノースウェスト・スミス・シリーズ第2巻。<br />