この巻には、チェーホフ作品の大きな転機となったサハリンへの大旅行以後の最初の野心作『決闘』と、晩年の清朗な世界へ移行しつつあった頃の代表作『黒衣の僧』の2編を収めた。<br />「決闘」では、対照的な性格の二人の男の心の葛藤を、ぎりぎりまで追いかけている。<br />