青春の逆説
自意識過剰で、しょっちゅう何かに苛立ちながら生きる青年、毛利豹一。
高利貸と再婚して女中のように扱われる母を哀れに思うが、どうにもならない。
旧制高校に入るがみごと落第、恋愛もうまくゆかず、中退して見習い新聞記者に。
ついには喫茶店のウェイトレスに対して、「こんなことでは駄目だぞ! よし、百数えるうちに、この女の手をいきなり掴むのだぞ」と悲壮な決心をする始末。
たまたま元映画女優多鶴子と付き合い「食客」となって、周囲の人々にもまれもまれてゆくうちに「自尊心」の呪縛を脱する。
成長してゆく青年の姿をユーモラスに痛快無比に描いた青春小説の傑作。
著者の最初の長編小説でもあった。
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