ショッキングな書き出しではじまる本書は、妻を愛し、歓心を得ようとしながら、妻の心とはうらはらな言動をする異常性格の夫に献身的につくす健気な女の、内心の葛藤を描く犯罪心理小説。<br />「世の中には殺人者を生む女もあれば、殺人者とベッドをともにする女もある。<br />そしてまた、殺人者と結婚する女もある。<br />リナ・アスガースは、八年近くも夫と暮らしてから、やっと自分が殺人者と結婚したことをさとった……」