サリンジャー自身が自分の書いた作品から選び出した9編の短編作品集。<br />いわゆるグラス家物語の端緒をなすと考えられる「バナナフィッシュに最良の日」を含む9編が収められている。<br />現代人の分裂する心情を清新な文体と歯切れのいい会話を通して、極めてシンボリックに描くこの作品集には、短編作家としてのサリンジャーの特質が遺憾なく発揮されている。<br />読書そのものが「挑戦」ともなる作品集。<br />