無職無一文で東北の実家に戻ってきた37歳の正宗航太郎。<br />だが、家業を継いでいる弟や年老いた両親からの厳しい物言いに耐え切れず、こっそり家を出て行こうとした。<br />すると、弟の婚約者である安井栄里子が自分も連れてって欲しいと懇願してきた。<br />30歳の栄里子は瓜実顔に涼やかな切れ長の眼を持つ、正宗家に嫁ぐには勿体無いくらいの美人であった。<br />このまま結婚するのが不安だという栄里子に対し、弟のものを奪ってやりたいという歪んだ感情が沸いてきた航太郎は……。<br />