身を知る雨は桜に変わり
37歳の谷藤広也は大手OA機材メーカーで働いていたが、人員整理の対象になってしまう。
新しい仕事はなかなか見つからず、妻とも離婚することになった。
考えてみれば、真剣に結婚を考えていた幼馴染みに突然別れを告げられた21歳の頃から広也の人生には陰が落ちている気がする。
途方に暮れた広也に手を差し伸べてくれたのが、以前から仕事上の付き合いのあった宮武印刷。
61歳の社長が声をかけてくれたのだ。
活気のある会社での再出発に気持ちを新たにする広也。
しかし、歓迎会の場で驚きの再会が待ち受けていた。
飾り気のない白のブラウスに、膝下まで隠れたフレアスカートを穿いた女性は遅れてやってくると、セミロングの黒髪を揺らし、柔らかな笑みを浮かべて会釈してくる。
その女性……社長より24歳も年下の妻・初穂は、あの幼馴染みだったのだ!
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