蒸発
辰朗は49歳。
若い頃は画家志望だったが、今は普通に働いている。
かつて愛し合った女の幻を今も引きずっていて、今日は思い出のお祭り会場を彷徨っていた。
そこで男に乱暴を受けていた女性を助ける。
暴れる男に巻きこまれて腰を強打した辰朗を、その女性は家まで来て介抱してくれた。
彼女の名前は結麻。
29歳の人妻で、夫と義母の横暴に耐えきれず、家出してきたという。
ふっくらと笑みを浮かべた頬、ゆるいウェーブを描く栗色の髪、フレンチスリーブのワンピースから伸びた彼女の二の腕が、蛍光灯の下、柔らかそうな光沢を放っている。
家に帰るよう促したが、そのまま2人は妙な同棲生活を送るようになった。
とうとう一線を越えそうになった時、結麻の夫が訪ねてきて、帰ってくるように懇願してきた。
微妙な関係のまま、辰朗と結麻は浴衣姿で、1年前に出会ったお祭りに繰り出す。
我慢できずに暗がりに連れ込む辰朗。
「ずっと……待っていました……」そうつぶやく結麻の浴衣をまくり上げ、バックから……。
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