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溶けて、やがて濡れる

森久保孝敏は10年前に駆け落ちした兄・昌志と千晴と会うために、札幌に来ている。
兄は38歳、千晴は36歳になっているはずだった。
兄と知り合った頃、千晴には別居中の夫がいた。
DVを受けて家を飛び出し、生活のために働いていたファミレスで兄と出会った。
しかし、交際を両親に反対されて、二人は駆け落ちする。
ずっと音信不通だったが、数年に一度ハガキが来ており、籍を入れて、札幌で小料理屋を営んでいることは知っていた。
今回、北海道にやってきたのは老いた両親と兄の関係を修復させるため。
兄夫婦には事前に連絡せずにお店を訪問した。
しかし、そこには兄の姿がない。
他に女を作り、今や酒浸りで金を無心しにときどき帰ってくるらしい。
まさかの展開に、孝敏は兄嫁への秘めた恋心を抑えきれなかった。
割烹着を脱いで着物姿になった千晴は、寂しさに耐えきれず、孝敏にしなだれかかってくる。
自然と唇を重ねると、兄嫁のほうから舌を入れてきて……。




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