繭の中
誠司は大学4年生の夏、たいして仲がいいわけでもないゼミの友人に誘われて、ホストクラブのアルバイトを始めた。
こんな場所は自分に向いてないとすぐに感じたが、初日に初めてホストクラブに来たという繭由子と出会う。
友人の結婚式帰りだという彼女は年齢よりも若く、20代後半にしか見えない。
華やかな美形ではないが、陶器のような白い肌といい、品のいい顔立ちといい、佇まいに妙に色気のある女性だった。
既婚者と知りつつ彼女に惹かれた誠司。
どんなホストが連絡しても既読スルーなのに、指名がまったく取れない誠司にだけは反応があった。
大学生の誠司には似つかわしくないホテルに呼ばれ、激しく求め合う2人。
「この部屋、好きに使っていいよ。
そのかわり、いつ来てもいいよね?」。
そう、誠司は彼女と愛人契約を結び……。
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