栞那は、由緒ある香道の家元・翆の許に買われてきた。<br />広大な敷地の奥にある離れ、監禁されるように暮らしているそこは「愛のない奥庭」と呼ばれていた。<br />夜毎訪れる翆に心も体も翻弄される栞那は、自分の運命を諦めていた――。<br />