アヤンナの美しい鳥
わたしはアヤンナ。
醜い娘。
「おまえのような娘を妻にする男はいないよ。
年頃になったら、市場で夫を買ってこなきゃなるまいね」 亡き祖母はわたしに向かってよくこういったものだ。
だからいまでもわたしは市場が大嫌い。
家畜を買うように夫を買わなければ、だれも愛してくれないほど醜いといわれたことを思い出すから。
けれど、魔女のわたしが見つけた美しいひとは、奴隷市場で出会った‘彼’だった――神の呪い子として忌み嫌われて、誇り高くも孤独に生きる醜い魔女の娘と、美しい奴隷の王子。
瓦解する帝国の辺境で二人は数多(あまた)の物語を紡ぐ。
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