太平洋の赤道直下に浮かぶ、名前のない小さな島。<br />そこには教会があり、神父とわずかな島民が暮らし、訪れるどんな二人も祝福され、結婚式を挙げることができる。<br />同性愛、近親愛、不倫愛、そこではあらゆる愛が許される――二人が、本当に愛し合っている限り。<br /> その島を訪れる、父親と娘。<br />それから姉と弟。<br />ある者は愛の存在証明のために。<br />またある者は不在証明のために。<br />様々なものを見失って渇いた者たちの、いのちと時間がその場所で交錯する。<br />