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たったひとつの、ねがい。

彼女と知り合ったのは学生時代だった。
互いに心を通わせてる、そのことすらも確認しなくてもわかる日々。
そして今日。
思い切って結婚を彼女に持ち出してみた。
下手に出て、お伺いしてみる。
恐る恐る顔を上げて反応を確かめると、非常に希少なものが拝めた。
彼女がにたにたと、ともすれば意地悪く見えるほどにやついている。
つまり、良いよ、ということ? やったぁ……と、思ったその瞬間。
あんな、あんなことが起こるなんて。
それから、僕のもう一つの人生は始まった。




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