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君が電話をかけていた場所

ずっと、思っていた。
この醜い痣さえなければ、初鹿野唯の心を射止めることができるかもしれないのに、と。
「電話の女」の持ちかけた賭けに乗ったことで、僕の顔の痣は消えた。
理想の姿を手に入れた僕は、その夜初鹿野と再会を果たす。
しかし皮肉なことに、三年ぶりに再会した彼女の顔には、昨日までの僕と瓜二つの醜い痣があった。
初鹿野は痣の消えた僕を妬み、自宅に閉じこもる。
途方に暮れる僕に、電話の女は言う。
このまま初鹿野の心を動かせなければ賭けは僕の負けとなり、そのとき僕は『人魚姫』と同じ結末を辿ることになるのだ、と。




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