なんの前触れもなく人間が消滅し、その痕跡も、周囲の人々の記憶からも消え去ってしまう世界。<br />人々は普段通りの生活を続けながらゆるやかに訪れる世界の終わりを待っている。<br />そんな世界でぼくは例外的に消えた人間の記憶を保持することができた。<br />そんなぼくは気がつく。<br />人が消えていくばかりの世界の中、いなかったはずの少女がいつのまにかクラスの一員として溶け込んでいることに――。<br />