神のゴミ箱
ある日。
とあるアパートの住人、神 喜助(じん きすけ)のゴミ箱の中身が、ひとりでに増えた。
ここの住人の誰かのゴミが、何故か転送されてきている。
糸くず、美しい髪の毛、小説の下書き、そして『恥ずかしいポエム』。
しかし、読んでいるこちらが赤面するそのポエムは、どうやら『遺書』らしい。
つまり、ここの住人の誰かが、死のうとしている? 自殺防止に奔走したり、女子中学生の援助交際を諭したり。
神(のゴミ箱)のお告げにより、退屈だった彼の人生は、ささやかに動き始めた。
これは、『どこかとつながっている』ゴミ箱を巡る、すこし不思議な住人たちの物語。
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