高級磁器・彌嶋焼を受け継ぐ成世家の長男である浩季は、義母と義弟の存在により十二代目襲名が危うくなっていた。<br />幼い頃からそれだけを励みに腕を磨いてきた浩季には、それ以外の未来は考えられない。<br />誰よりもいい作品を仕上げれば十二代目になれる。<br />それには、あの陶石が必要だ。<br />山神を祀った神殿の奥にある陶石を手に入れるため、村主の息子・政高の色子になることを決めた浩季。<br />しかし、彼に抱かれるたびに胸が苦しくて……。<br />