鎖の音がする。<br /> 高校受験やら恋愛だかで辛苦を味わっている奴らを縛る、鎖の音。<br /> 世界という濁流の中に流れる様々な情報で、張りぼてでしかない見てくれを形成し、それを正解だと信じ切っている奴らを縛る、鎖の音。<br /> ――がちゃがちゃ、がちゃがちゃ。<br /> その音から逃げ出したくて、俺は――。<br />