夜魔
「君の『願望』は──何だね? そして、君の『絶望』は────」 満開の夜桜の下、思わず見とれるほど妖しく綺麗に佇んでいたのは密かに憧れていた従姉だった。
彼女はその晩、桜の木で首を吊る。
──彼女は、あの桜の中にいる。
……彼女に会いたい。
そう信じ、願う男は、遂に人の願望を叶える夜色の外套を身に纏う昏闇の使者と遭遇する。
曰く、暗闇より現れ、人の望みを叶えるという生きた都市伝説。
夜より生まれ、この都市に棲むという、永劫の刻を生きる魔人。
そして、恐怖がココロの隙間へと入り込み──。
鬼才・甲田学人が紡ぐ渾身の怪奇短編連作集。
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