恋や幸福なんて幻想だ。<br />疑似恋愛だけ楽しめればいい――売り専のバイトをしていたマサキは、死んだ恋人を想い続けている稲葉と出会う。<br />「セックスは、好きな人と想いが通じ合ってするべき行為だと思うんだ」とマサキに触れもせず、ただ優しく接する稲葉。<br />昔の恋を幸福そうに語る稲葉に嫉妬を抱くうち、狂おしい想いが芽生え――。<br />優しさしか知らない男と、愛のないセックスしか知らない男がすれ違う、切なく痛い恋。<br />