読者と主人公と二人のこれから
この物語さえあれば、他に何もいらない。
この小説『十四歳』と、その中に確かに息づく主人公、トキコがいれば―― だが、彼女は俺の前に現れた。
灰色の毎日の始まりになるはずだった、新学年のホームルーム。
黒板の前に立った彼女こそは、俺が手にした物語の中にいたはずの「トキコ」だった。
不器用に近づいていく二人の距離。
物語の中にいる「トキコ」と、目の前にいる「柊時子」のあいだで、奇妙に絡まってゆく想い。
出会うはずがなかった読者と主人公の物語。
その結末にあるものは――。
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