いつかきみに、七月の雪を見せてあげる。<br />あの日、彼女は青く光る海を見ながら、僕にそう約束してくれた――。<br />あの人を、死なせたくなかった。<br />だからわたしは『願い』をかけることにした。<br />たとえそのために、何を代償にしようとも。<br />『願い』を遺した彼女とそれを探す僕。<br />死別した彼女の想い出を辿り、三年ぶりに鎌倉に帰郷した僕は、七月の雪に託された、彼女の『願い』の奇跡と巡り遭うことになる――。<br />