私は遺跡から運び込まれた発掘物を利用するため、工場で働いている。<br />ある日発掘隊が持ち帰ったのは、棺めいた箱の中で眠る少女。<br />銀糸のような髪に艶のある肌。<br />一目では機械人形とは判断がつかない彼女の造形を目で追う度、巻き起こる発熱とエラー。<br />私のどこかが故障したのか、非の打ち所のない彼女の姿を前に、「きれい」と口にして、生まれて初めて、私はエラーで動けなくなった。<br />