鎌倉の鈴ノ山神社の息子・伊吹は短気で喧嘩っぱやい。<br /> 俺は跡継ぎの器ではないと、十年前に神隠しに遭った優秀な弟を待ち続け、頑なに後継を拒んでいる。<br /> 後継の儀式が迫り焦る伊吹の前に、弟の行方を知るらしき《神様の跡継ぎ》と名乗る美青年が突如現れる。<br /> 「弟の行方を知りたければ、神様修行を手伝え」 という彼に連れ回され、知人を訪ねたり、神社の仕事を手伝う内に伊吹にも変化が生まれ……。<br /> 二人の跡継ぎの絆に涙する、 切なくも心温まる物語。<br />