【合本版】嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
御園マユ。
僕のクラスメイトで、聡明で、とても美人さんで、すごく大切なひと。
彼女は今、僕の隣にちょこんと座り、無邪気に笑っている。
リビングで、マユと一緒に見ているテレビでは、平穏な我が街で起こった誘拐事件の概要が流れていた。
誘拐は、ある意味殺人より性悪な犯罪だ。
殺人は本人が死んで終了だけど、誘拐は、解放されてから続いてしまう。
ズレた人生を、続けなければいけない。
修正不可能なのに。
理解出来なくなった、人の普通ってやつに隷属しながら。
──あ、そういえば。
時間があれば、今度質問してみよう。
まーちゃん、キミは何で、あの子達を誘拐したんですか。
って。
※本電子書籍は、『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』シリーズ全12巻を1冊にまとめた合本版です。
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