港町マトに暮らすジュリはひたすら働いていた。<br />天使のような弟・ユヅルの願いを叶えるため。<br />彼の王国を守ることこそが姉の幸福なのだ。<br />今日も仕事を探すジュリは、隣の酒場で働く傭兵のハルトと屋敷の警備をすることに。<br />予告状が届く不可思議な連続窃盗事件らしく、頭を悩ませるジュリにユヅルは微笑みながら一言――「ジュリって馬鹿なの?」天使か悪魔か、少年の華麗なる日常譚開始!