神々の砂漠 風の白猿神
人類と〈機械知性〉とが死闘をくりひろげた〈聖戦〉から百年。
地球の三分の一をおおう砂漠の中に、その少年はいた。
古城宴。
九年前、謎の壊滅をとげた東京シティの生き残り。
現在は‘大槻キャラバン’の一員として戦闘空母‘箱舟’に乗り込んでいる。
彼は今、仲間の少年たちとともに船を離れ、聖戦時の遺跡の発掘をしていた。
作業用アームの先がなにか硬いものに当たる。
丸いシルエット。
‘神格匡体’だ。
人の想像力を現実の力にかえ、神話の神々を地上に顕現させる究極の兵器―。
宴たちは期待と畏れに躍る胸を圧さえ、慎重にその白い匡体を掘り出していく。
それが白猿神ハヌマーン、そして謎を秘めた少女シータとの出会いだった…。
吹き抜ける風は熱く乾き、雷鳴は波乱を告げて轟く。
少年よ、今こそ旅立ちだ。
選考委員大絶賛のSF冒険ロマン。
第六回ファンタジア長編小説大賞受賞作。
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