戦後間もない頃、人々は飢え、世は混沌としていた――。<br />「掟を無視し、悪しき独覚が、世界を変えようと動き始めている。<br />悪いことが起こらねばよいが……」一族の老師はつぶやいた。<br />釈迦入滅後、ひたすら滅びの道を歩み、世と関わりを持つことを禁じられた超能力者集団、独覚一族。<br />一族のなかの‘悪しきもの’は誰なのか? やがて、老師の思惑どおり、世相は濁り、朝鮮半島に戦火のきざしがあらわれてきた! 山田正紀が戦後の動乱期を舞台に描いた、会心の‘神シリーズ’。<br />