山名耕作の不思議な生活
家並みもまばらな田舎くさい町の片隅に、十度ばかり往来に傾いたみすぼらしい家がある。
その家には、天井がわりに設えた奇妙な棚があった。
これこそ、あの有名な奇人山名耕作の住まいである。
洗いざらしの浴衣によれよれの帯を締めたその装いは、至極この部屋に調和する。
だが、頭をきれいに刈り込み、顔もきれいにそり、爪にはマニキュアを施す凄じさ。
その彼が恋愛をしているらしく、私は大変興味を持った……。
横溝文学の原点を探る初期短編傑作選〈昭和編〉!
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