「自分の家の中に階段がある!」中学生の初は、嬉しくてたまらなかった。<br />中古だって構わない、引っ越したばかりの一軒家には自分一人の部屋があるんだから!! でも、この家には別の人がいるみたいだった。<br />夜ごと聞こえる、かすかなピアノの音。<br />姉の紘子が鏡の奥に見た、少女の姿。<br />あれは一体、誰? 引っ越しを機に、事件に巻き込まれてゆく一家を描いた、ファンタジック・サスペンス。<br />