人の一生のなかには、三つの転機がある。<br />まず十七、八歳のとき、友だちの感化で悪くなる。<br />次は、三十歳、ものごとに慢心して、老巧のものを馬鹿にする心に注意。<br />最後は、四十歳、過去ばかりふりかえって将来を見なくなる。<br />この三転機に注意せよ、と説いた徳川家康の生涯を、青少年向きに書きおろした伝記文学の白眉。<br />