夜の海に瞑れ
癌に冒された老ヤクザを故郷の淡路島まで運べ。
舞いこんだ依頼はたやすいはずだった。
だが、謎の追手の襲撃によって、老人と親友が拉致される。
しかも、その老人は、五十年以上前にシベリアの捕虜収容所で、凍土に葬られたはずの男だった。
組織を裏切った老ヤクザの本当の狙いは何か。
殺し屋、ロシアンマフィア、そして日本の闇権力の陰謀と裏切りが交錯しあう中で、探偵碇田が執念の追跡の果てに見たものは……? 過去の傷痕に引きずられ、闇に蠢く男たちの吐息。
信義なき世界でぎりぎりの誇りを全うする孤独な闘いを、壮大なスケールで描き切る、冒険小説!
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