1950年――昭和25年、11月。<br />5歳の女の子が50歳くらいの男に手を引かれて、遠い親戚の家にいこうとしていた。<br />その刹那、女の子の心の中に、その年齢にはいささか似つかわしくない、ある「思い」が地下水のように静かに湧きだしてきた。<br />「わたしはこの世界に何の借りもない」と――。<br />天涯孤独の身に生まれた‘みーこ’が綴る、自由奔放に生きた波瀾万丈な女の一代記!