「わたしはどうせ死ぬんだから」――四度目の心臓手術を拒否し、いつもそう言っては母親を泣かせている少女・千佳。<br />その千佳が、隣の病室の患者との触れ合いの中で、次第に心を開いていく様子を描いた「燕の駅」。<br />四歳の男の子・タアくんの日常と、その瞳に映る様々な大人たち、そしてタアくんが心の中に秘めている痛いほどの孤独と不安を描き出す表題作「子どもの隣り」など、全四編を収録。<br />現代に生きる子どもたちの傷つきやすい心を繊細に描き出した、珠玉の作品集。<br />