「言えば、言うほど人は私を信じて呉れません」(燈籠)。<br />「おわかれ致します」(きりぎりす)。<br />「女は、やっぱり、駄目なものなのね」(千代女)。<br />こういう書き出しで始まる女性の独白形式による作品を集めてみた。<br />昭和12年から23年まで作者の作家活動のほぼ全盛期にわたるいろいろな時期の心の投影色濃き女の物語集。<br />