明日泥棒
「コンツワ!」とそいつはいきなり、ぼくの背後から声をかけた。
横浜の港が見える丘の上に、ひょっこり姿をあらわした、奇妙な日本語を喋る男。
頭に古風な山高帽、モーニングの上着に小倉のはかまといういでたちで、名前をゴエモンと名乗った。
その直後、日本全土からあらゆる音が消えてしまった――。
ゴエモンとは何者なのか? ゴエモンを利用して世界を動かそうと企む人間達の思惑が絡み合い、事態は思わぬ方向へと転がり始める。
極上の笑いとSFだけが描き得る真の恐ろしさが同居する、異色の傑作長編!
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