竹中秀治は景気のよくない文具メーカーの営業部員。<br />ちょっと甘い二枚目だが、軽薄なのが玉にきず。<br />その軽薄さで職場の女の子に手を出し、とうとう結婚する羽目に追いこまれた。<br />新居の下見に行った帰り、二人は電車の中で老人が急に苦しみだすのを目撃した。<br />必死の看病の甲斐もなく死亡した老人には莫大な遺産があり、親切にしてくれたお礼に、その一部五千万円が二人に贈られるが……。<br />金にまつわる若い二人の喜怒哀楽を描く表題作他6編を収録。<br />