昭和8年、巣鴨の水道屋の次男坊・曠吉は、家業を手伝いながら、第1回直木賞作家・川口松太郎のような小説家になることを夢見ていた。<br />しかし頭の中に浮かぶのは、美しい女との××のことばかり。<br />曠吉は、様々な女と出会い、彼女たちに魅かれ、人生の愉しさ、儚さを知る。<br />歳月を重ねながら、少年は一歩ずつ大人への階段を上っていく。<br />都々逸や小唄を小気味よく挿みながら、男と女の「情」を描いた、胸にしみいる人情小説の白眉。<br />