「私生児と、その母、けれども……古い道徳とどこまでも争い、太陽のように生き」ていく一人の女。<br />結核で死んでいく「日本で最後の貴婦人」のその母。<br />自分の体に流れる貴族の血に反抗しながらも、戦い敗れて、宿命的な死を選ぶ弟。<br />生家の没落をきっかけに日本版「桜の園」を描こうとした作者が、昭和22年、死の一年前に発表した作品。<br />この作品で、作者の名は決定的なものとなった。<br />