海は未知への扉であり、山々には精霊が宿っていた太古・弥生時代。<br />突如海より現れた黒魔蜂に連れ去られた若菜は…(「緑の女の還る地は」)。<br />室町時代、山城国の有力領主に嫁いだ誇り高き女・茶佐と、京の遊里で名をなした女・瑠璃王の儚き運命の交差とは…(「乱の徒花」)。<br />性に翻弄され、果てしなき悦楽に呑まれてゆく女たち。<br />弥生、鎌倉、室町、江戸、昭和、平成。<br />異なる時代で描かれる、深遠なるエロティシズムの世界。<br />