沖縄生まれの勇作は、両親の顔を知らずに祖父のもとで育てられた。<br />祖父に教えてもらった空手を頼りに単身ニューヨークに渡り、道場破りを生活の糧とした。<br />そんな勇作だが、情に脆く、女にはめっぽう弱い。<br />帰国後、押し切られるようにして婿養子に入り、妻の勧めで空手道場をオープンする。<br />だが、門下生は集まらず、舞い込んでくるのは商店街の人たちの厄介な相談事ばかりで……。<br />涙と笑いが交錯する市井人情小説の傑作!