生けるパスカル
こめかみに青筋をたて、矢沢辰生のアトリエに飛び込んできた妻。
「殺してやる!」と喚いた彼女は、画架のそばにあった揮発油を奪うと、いきなり彼の頭から振りかけた。
その手にはいつの間にかマッチが……。
画家の矢沢は、美術記者から聞いたイタリアの作家ピランデルロの小説「死せるパスカル」に激しい共感を覚えた。
主人公と同じ妻の異常な嫉妬に悩む彼は、自分も小説のように妻から解放されたいと強く願う。
そしてある日……。
歪んだ夫婦の心理に鋭いメスを入れた傑作!「六畳の生涯」を併録。
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